電車で座っていると、目に入るのが反対側の人の足もと。靴はもちろん、意外と目立つのが靴下です。ネクタイ選びには時間をかけていても、靴下まで気づかって選んでいる方は、そう多くないでしょう。脇役と思われがちな靴下ですが、その選び方で大きく印象が変わります。
黒、グレー、紺を中心にした色選び
「おしゃれは足元から」とよく言われます。足もとというと、靴にばかり目が行きがちですが、忘れてはいけないのはズボンの下の靴下。ビジネススタイルにはなくてはならない靴下選びもポイントです。
まず、靴下の「色」は、どのように選んでいますか? 暗い色、目立たない色、無地などといった答えがありますが、基本となるのは「ズボンと同じ色」か「靴と同じ色」。ズボンと靴下、もしくは靴と靴下がひと続きで見える、色合わせがポイントということになります。日本では靴、欧米ではズボンに合わせるのが一般的です。
ビジネスでは、スーツは濃紺かチャコールグレー(濃いグレー)が正式の場で着る色であり、靴は黒が基本。ですので、黒、グレー、紺の3色が中心と考えると間違いないでしょう。
逆に、グレーのスーツを着て、靴下が茶色、靴が黒というように、色がどこにもつながらず3色がバラバラである、靴下が一番目立っている、という色合わせはさけたいものです。
素肌を見せない長さを重要視する
靴下は、靴の摩擦から肌を守り、汗を吸収してくれるという機能性に加え、装いのうえでは、脚のスネ部分の素肌を見せないという目的があります。座って脚を組むと、ズボンの裾は10㎝程度、上に上がります。そのときに足もとからスネが見えるということは、エチケットとしてさけるべきことです。
そのときに重要になるのが、靴下の「長さ」。ズボンが上に上がっても、絶対に素肌が見えない長めのものを選ぶ必要があります。海外では、「ロングホーズ」と呼ばれる膝下までのハイソックス丈をスーツには合わせています。日本では一般的ではありませんが、男性用の靴下売場にありますので、長さを重要視した靴下選びをすることも必要です。
脇役と思われがちの靴下ですが、こうした基本ルールを押さえることで、足もとの装いが完成します。靴下を“つなぎ役”と考えて、装いの統一感をもたせていきましょう。
Check Point
1.お手持ちの靴下の色をチェック
持っている靴下の色を今一度、確認してみます。普段着ているスーツと合わない色、目立ちすぎる柄ものなどは、ビジネス用ではありません。
2.靴下だけが目立っていないか?
出発前の全体チェックをするときに、靴下の色合わせも確認。スーツ、もしくは靴と合った色かをご自身で見てみましょう。
3.足を組んでもスネ毛が見えないか?
座ったときは、ご自身が思うよりもズボンの裾が上に上がります。そのときも絶対、スネ毛が見えない十分な長さがあるかを確認。