相手の名前を大切に。 コミュニケーションの基本と心がけ


自分の名前は、その人にとって一番耳あたりの良い言葉だといいます。普段は意識していなくても、自分の名前には愛着がある人が多いですよね。コミュニケーションをするうえで大切な役割を担う「名前を呼ぶこと」について、改めて考えてみましょう。

名刺交換から、一歩進んだ会話を


 ビジネスはもちろん、プライベートでも、より良い人間関係を築いていくには相手の名前を大切にすることが重要です。

 日本では、ビジネスで初対面のときは、名刺交換から始まるのが一般的です。このとき、単に名刺を交換する行為で終わらせず、そこに書いてある相手の名前自体に興味をもつのがポイントです。会社の場所や肩書き、仕事内容に合わせた話も必要ですが、相手の方に「お会いできてうれしいです」「あなたに注目しています」ということを伝えるために、「名前」を話題にしましょう。

 まず、読み方が難しければ読み方を確認する。めずらしい名前であれば、その由来を聞いたり、特定の地域に多い名前であれば、出身地をたずねたりします。今までについたあだ名も話題にしやすいでしょう。同僚や友人に同じ名前がいれば、エピソードを交えながら、その偶然を喜ばしく話しましょう。名前一つでも、話を広げていくことができます。

しかし、ここで気を付けなければいけないのは、主役は相手の「名前」だということです。名前から広げた話を、単なる雑談に終わらせては意味がありません。相手に「自分に興味をもってもらえた」と、少しでも感じてもらえることが目的です。ここを常に意識しましょう。

名前が出てこない時の対応方法

 名前は大切であることはわかっていても、一度、名刺交換したはずの相手の名前がどうしても出てこない、ということもあります。

そんなときは聞ける人がいれば、まず確認しておきましょう。それが難しければ、他の人の会話から呼び名を聞き取ることもできます。「あちらは○○さんでしたよね?」と近くの人にさり気なく聞いてみるのも一案です。

何よりも「顔は覚えているけれど・・・・・・」という自分自身の不安な状況を、本人と挨拶する前になくしておくことが必要です。

 私自身、過去の苦い経験として、相手の方の名前を間違えて呼んでいた、ということがありました。名字を一文字違って呼んでしまったのですが、そのときは、近くの方がお名前を呼んだときに気付き、すぐにその場でお詫びすることができました。

 もしその場で訂正することができない場合は、メールでも良いので、そのままにせずにお詫びすることが大切です。

 一度しか会ったことのない方から、「お久しぶりです、○○さん」と名前を入れて挨拶されることを想像してみてください。「○○さん」と名前を入れてくれたことが、うれしく感じられませんか?

些細なことかもしれませんが、覚えてもらっていたという小さな喜びから安心感が生まれます。その積み重ねが、やがて深い信頼へとつながっていくのではないでしょうか。

Check Point

1.オフィス訪問前に要確認
お相手のオフィスを訪問するとき、他部署や前の担当者を含め、同じ会社の人の名前はひと通り確認してから伺うように心がけます。

2.名前を忘れない工夫をする
顔は覚えているけれど、名前が出てこない――。それを防ぐために、名刺に特徴をメモしておく、デジカメ持参であえて撮影するなど、自分なりの工夫を考えます。

3.間違えたときの後フォロー
気を付けていても、名前を間違えたり、忘れてしまったりすることはあります。大切なのは、その後のフォローです。その対応次第で大きく印象が変わります。

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