言い出せる雰囲気が成果に繋がる、一人ひとりに耳を傾ける姿勢を


「新しい日常」が始まり、対応する環境の構築に苦慮された職場もあったことと思われます。ひと通り対応し終えた後も、職場で働くメンバーのケアは欠かせません。メンバーが変化に対応しつつ成果を出すために、ボスがおさえるべきポイントについて考えていきましょう。

やる気を引き出す「傾聴力」


 リーダー職以上の人になると、「傾聴」という言葉を一度くらいは耳にしたり、目にしたりしたことがありますよね。

 「傾聴」とは、「自分の聞きたいことではなく、相手の伝えたいことを、受容的・共感的な態度で真摯に聴くこと」です。

 決めつけや誘導を挟まずに、相手が自分自身の本音に気付いて、納得できる判断や結論に到達できるようにサポートするのが傾聴の目的です。

 ビジネスの現場では「仕事を回す」という大前提がありますので、「傾聴」というスキルを活用して、相手との間で納得できる落とし所を探ることが大事になってきます。

 パッと聞いただけでは「それはおかしい」と否定したくなる意見も、相手が自分でも気付いていない真意が理解できると、「そういう考え方もできる」と思うことができます。

 意見を受け止めた、という態度を見せることで、相手も「話しやすい」「安心感がある」と心を開くことができ、その後のスムーズなコミュニケーションに繋がっていきます。

安心感を成果につなげる

傾聴スキルは日常の業務で用いることもできますが、特に「1on1ミーティング」などの場では必須となります。

「1on1ミーティング」が取り入れられていない職場も多いかもしれませんが、変化の多い中では業務量はもちろん、心理的にも負担を抱えているメンバーがいることが考えられます。

定期的に一定の時間を確保するのが難しい場合は、ちょっとした時間に立ち話をする程度でも良いので、全てのメンバーから話を聴く機会を積極的に設けていきましょう。

この時に注意したいのが、話を聴く時は、自分の立場やペースを脇に置いて、相手の立場やペースに合わせることです。

もし相手がなかなか話し出さない場合は、相手の表情をよく観察するようにします。この時、相手が観察されているのを気にする場合はきちんと考えられていない状態ですので、「ゆっくり考えてみてください」などと促すようにしましょう。

考えている様子を見せても話し始めない場合は、口に出すことをためらっている可能性があります。その場合は「遠慮なく話してみてください」など率直に話せるように励ますことが大切です。

こうした観察を続けることで、メンバー一人ひとりの個性や特徴をおさえることができ、適切なタイミングでの声がけに繋がります。

ボスが自分のことを分かってくれているという信頼感がやる気を引き出し、変化の中でも個々人の実力を発揮する源となります。

メンバーが安心して力を発揮できるよう、傾聴スキルを活用していきましょう。

Check Point

1.傾聴するということ
決めつけや誘導を挟まずに、相手が納得できる判断や結論に到達できるようにサポートするのが傾聴の目的です。相手の言うことを否定せず、真摯に耳を傾ける姿勢を身につけましょう。

2.傾聴スキルを仕事に活かす
メンバーの話を傾聴し、自分も相手も納得できる適切な落とし所を探ります。とはいえ、傾聴の際はそのような考えや立場は脇に置き、相手の言葉に耳を傾けるようにしましょう。

3.傾聴と合わせて観察する余裕を
なかなか話し始めない相手は、急かすのではなく観察するようにしましょう。話す内容と合わせて、相手を理解することに繋がります。

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