人と話しをしたり、誰かの講演を聞いたりしたとき、その方の声や話し方によって印象は大きく変わります。話し方はもちろん、声そのものも自分で意識することで変化が生まれます。自信のない人から、さらに一歩先を目指す人まで、話し方と声を見つめ直してみましょう。
聞いている人がどんな人かを十分にイメージ
ある大きな報告会で、1つのテーマについて、同じ企業の3人の担当者の説明を順番に聞く機会がありました。三者三様、その人の声と話し方によって受ける印象が大きく違いました。
1人目は、やや抑えめの声で、裏付けの数字を交えながら淡々と話す。
2人目は、落ち着いた声とゆとりを感じさせるテンポで、ユーモアを交えて話す。
3人目は、パワフルなやや大きすぎる声で、勢い良く話す。
個人的な好みの違いはありますが、大部分の人が聞きやすいと感じたのは、明らかに2人目の人でした。 どれくらいの規模の会場で、聞きに来ている人の興味や年代、男性か女性かを十分意識していることを感じさせました。
事前にわかることをはっきりさせて、その人たちが聞きやすい、好まれるような声と話し方を意識することは重要なことです。
社会経験を積むにつれ、社内ばかりでなく、業界や地域の勉強会などで話をする機会も多くなってきます。
まずは一度、自分の話している姿を動画で撮影して、客観的な目で見ることで新たな発見があるはずです。
意識をすれば声そのものも変化が生まれる
自分の「声」について意識したことはあるでしょうか。
声は生まれ持ったもので、変わらないものと思いがちですが、実は自分の意識次第で変えていけるものです。自分の声そのものや出し方を意識することで、聞きやすく心地の良い声にしていくことも可能です。
声は体の状態や姿勢、呼吸といった複合的な要素によって生み出されていて、トレーニングをすることで本来の自分に合った声が出せるようになります。
「声がそんなに変わるの?」という疑問が出てきますが、ヴォイストレーナーの話によると、4~6回程度のトレーニングによって変化が生まれ、実感できるようになるということです。
自分で簡単にできることは、声を出すときに、のどでなく胸から響かせるようにすることと、話しをするときは話し始めの言葉と、「~です」「~でした」という一文の終わりをはっきり言うようにすることです。この2点を意識するだけで、大きな違いが生まれます。
さらに一歩、レベルアップをしたい方は、ヴォイストレーニングを受けることもおすすめです。
Check Point
1.自分の声と話し方を確認する
自分自身の声と話し方はどんな感じでしょうか。「低くてこもった話し方」「高くて早口」など、形容詞を使って言葉で表してみましょう。
2.声の出し方の自己チェック
声はのどだけでなく胸から出すと良い響きが生まれます。胸に手を当ててみて、響きが伝わってくるかを確認してみましょう。
3.聞き心地の良いと感じる話し手を探す
身近な人でもテレビに出ている人でもいいので、自分で聞き心地が良いと思う人を見つけましょう。どこか真似できることが見つかるはずです。