仕事での出張、冠婚葬祭などホテルを利用する機会も数多くあります。接客業のなかでもより高いサービスが求められるのがホテルマン。元ホテル支配人の方に、お客様を見るときのポイントを教えてもらいました。
見ているのは全体のバランスと手入れの良し悪し
高級な時計と靴。ホテルではこの2つが見られている、という話を聞いたことはありませんか?
もちろん、趣味のいい高級時計をつけ、きれいに磨かれた靴を履いているのが一番。でも、実際に見られているのは、身につけているものがその方の全体のバランスに合っているか、それがきちんとお手入れがされているか、という点なのです。
腕時計でいうならば、大きめで目立つ時計をしている方は、自己顕示欲が強くサービスにうるさい人が多い、という傾向があるといいます。
洋服の場合は、見られているのはスーツの背中。背中はご自身からは見えなくても、面積が大きい分、相手にとっては非常に目につく場所。その背中にあるシワには注意が必要です。ひどいシワをつけたまま着ている方は、間違いなく“だらしがない人”というネガティブな印象をもたれます。
シワになりやすい素材ならば、スーツの上着は移動時など長時間座る場合には脱いで手に持つこと。お相手があって脱げない場合には、スーツの背中の裾をお尻の下に挟み込んで座る、といったシワを防ぐためのちょっとした気づかいが必要です。
装いだけでなく、身だしなみも重要なチェックポイントです。とくに髪型は、そのスタイルの良し悪しよりも、乱れがなく、全体が整っているかが重要。
女性の場合、せっかく髪をまとめていても、ほつれがあるととても疲れた印象を与えます。人からの視線を意識している、見られていることを意識している、これが大切です。
身だしなみでとくに気をつけるべきは“におい”
接客のプロであるホテルマンは、心地良い空間を演出するためにさまざまな気づかいが必要とされます。そのため、目線は360度注意をはらい、立っているときの重心は常に前。いつでも動き出せる態勢を整えているといいます。
ホテルマンにとって、いつでも主役はお客様。装いも真っ白なシャツ、ピンとしたネクタイに気づかいながらも、あくまでも“控えめ”を心がけています。
その分、身だしなみには細心の注意を払っています。特に気を付けているのが“におい”。タバコのにおいや体臭、口臭は、大きく印象を左右することを心得ており、相手の方のにおいもしっかりとチェックしています。
一流のホテルを使うのであれば、一流に見られる必要があります。プロの目線でチェックしている装いと身だしなみのポイントを知り、自分自身をレベルアップさせたいですね。
協力:クロスワンコンサルティング株式会社 http://www.xone-consulting.co.jp
Check Point
1.スーツの背中を自分でチェック
タンスの中のスーツで、背中にシワがついたままのものはありませんか? シワがつきやすい素材はどれか、把握しておきます。
2.外出先で鏡を見る習慣
人から見られている、という意識のあるなしで身だしなみへの気づかいは大きく違います。男女問わず、鏡を見る機会を意識的に増やします。
3.においケアができる新アイテムを導入
豊富なにおいケアアイテムが手軽に手に入るので、口臭予防のタブレットなど使ったことのないものにトライしてみましょう。