仕事で初めて会った人に対して、どこを見るかは人それぞれ違います。装いや態度、持ち物などで、自分がどのような人か判断される可能性もあります。「なるほど~」と思う、ある社長のこだわりどころを紹介します。
汚れている、傷んでいる人とは仕事はしない
先日、「社長の印象マネジメント」というテーマでお話する機会がありました。「初対面のとき、相手のどこを見ますか?」という質問に、とても興味深い答えがありました。
参加者の一人が、自分のこだわりとして、「靴が汚れている、傷んでいる、そんな人とは、絶対に仕事はしない!と決めています!」と言い切りました。
人間は五感のうち視覚から受ける影響が高いことは広く知られています。そのため、「服装や身だしなみには気を付けましょう」、というのが一般的な考え方です。
見た目意識の高い、とくに男性には、靴にこだわる人が多くいます。ですが靴を見て、それで「仕事をしない!」とまで言い切るのは、あまりにも極端な意見に思えますが、個人の感覚や嗜好によるそれぞれの判断基準は、これが正解、不正解と言えるものでもありません。
いつもならば、こうした意見の方もいる、として終わるところですが、この後に続く、ここまで言い切る理由を聞くと、こんなところにも仕事のチャンス・ロスがあることに改めて気付かされました。
求めるクオリティを満たしてくれる相手かどうか
「絶対に仕事はしない!」と言い切る理由。
それは、その当事者である社員一人の問題ではなく、上司、会社の問題だとその人は言います。これから顧客になる、取引が始まるかもしれない企業、担当者のところへ、そもそも汚い靴を平気で履いてくる営業に大きな問題があるのはもちろん。ですが、そんな汚い靴を履かせて行かせる上司、ひいてはその企業の社長の意識に問題がある、とその方は考えといいます。
その結果、「汚い靴を履いていても問題がないとする会社が、自分たちが求めるクオリティを満たす仕事をしてくれるとは思えない」、という結論になっています。
極端な言い方かもしれませんが、単なる営業の見た目や身だしなみの問題ではなく、これは顧客へ対する配慮、企業としてのあり方の表れだと、という考えには納得できます。
「技術力が高ければいいじゃないか」という企業とは、自分たちは一緒に仕事ができない。高い技術力は当然であり、プラスアルファとして求めるものが同じかどうか、が重要だということです。
つまり、この人は価値観が同じ方と仕事をしたいという気持ちの表れ。靴一つで、と思うかもしれませんが、靴に表れるやる気だ、と言われたら納得しませんか?
部下の見た目でどのような会社か判断されてしまうーー。その可能性があることを心に留めておいてください。御社の社員、部下の方々は、さて、大丈夫でしょうか……?
Check Point
1.初対面でどこを見るか?
自分自身が初対面の相手のどこを見ているか? 外見や身だしなみを気にする人は多いですが、人それぞれ、見るポイントが違うことも理解しておくとよいですね。
2.チェックして注意できる関係に
部下がお客様のところへ行くとき、その外見や持ち物、対応が不快感を与えることはないか、自分の目で確認してみます。良くないところを注意できる関係性はできていますか?
3.履いている靴が与える印象
普段から履いている靴は、お客様からどのように見えているか? 靴は高級なもの、ブランドが重要でなく、手入れの良し悪しを見られています。