クセとは言えなくても人それぞれ多く使う言葉の傾向や、言い回し、フレーズがあるものです。言葉は、目には見えない自分の考えの軸となる部分が、無意識に出てしまうので、ボスとして、その言葉の使い方に気を配ることは大切です。
雑な表現で自己アピールが多い言葉を発する人
同じことを説明するとき、説明に使う言葉は人それぞれ違うものです。
ポジティブな言い方が多い人、ネガティブな言い方が多い人、丁寧な言い回し、または少しくだけた表現をする人など、話し方は一人一人違いがあります。
国会の会議録から見えてきたある調査結果(*)によると、選挙で当選しても再選されずに、1期で消えてしまう国会議員の言葉には、ある特徴があるということです。
その特徴とは、
「丁寧な言葉づかいが少ない」「損得勘定の表現が多い」でした。
とくに大臣については、短命の大臣の具体的な特徴として、
口語的で雑な表現が多く、自分の努力を一方的にアピールする表現が多いという結果でした。
しっかりとした丁寧な言葉を使えること
これは国会議員を対象にした調査でしたが、ボスという立場の人であれば、何かしらの共通点が見えてきませんか?
自分の立場を踏まえた丁寧な言葉で話す、ということは、上に立つ者として重要視すべきことです。
短命だった大臣の特徴的な言葉として、
「じゃなくて」
「~みたい」
「ものすごい」
などが挙げられており、敬語表現が十分でなく、丁寧な言葉づかいをする習慣に欠ける傾向があると分析されていました。
また、ボスであれば、担当する部門の業績の良し悪しに関わる数字的なことは大きな関心事です。とはいえ、相手に「損得勘定で動いている」と感じさせる言動が多いのは大問題でしょう。
長く付き合える相手、信頼できる相手として、ふさわしい言葉を選んで使う、そんな配慮が大切です。
丁寧な言葉で、損得勘定を感じさせない、普段からそんな言葉づかいができていますか?
(*)筑波大学・掛谷英紀准教授らの調査
Check Point
1.普段使っている言葉の傾向とは?
自分が使う言葉の傾向を、一度、確認してみましょう。今はスマホで簡単に録画や録音ができるので、自分の話している様子をチェックしてみてください。
2.丁寧な言葉とカジュアルな言葉
公の場で話すとき、普段よりもきちんとした言葉で話すことは必要です。 話し言葉である「~だし」「~っていうか」「あっちは」などはふさわしくありません。
3.第三者的な視点で聞いてみる
講演や挨拶を聞く側にいるとき、そのスピーカーの使っている言葉について、どんな傾向があるか気を付けて聞いてみます。使う言葉と共に、それを裏付けする心の姿勢がどんな状態かなど、合わせて考えてみるのも良いかもしれません。