立場が上になるほど、いろいろな場面で挨拶やスピーチをする機会が多くなります。印象に残る話をするには、極端なことを言えばテクニックよりも準備が重要。事前の準備を十分にすることで、印象に残る、満足度の高い仕上がりになります。
いつから準備をスタートすればよいかの逆算を
パワーポイントを使ってのプレゼンテーションは、説明的な要素が多いため、スライドの作り方や話し方などのテクニック的なものが重要視されます。
それに対してマイク1本で話をするスピーチの場合、話し手の「相手に伝えたい」という思いがどれだけ強いかで、印象の残り方が変わります。
人前で話す経験を何回かしたことがあれば、与えられた時間が3分以内であれば、その場で考えて話をすることは決して難しいものではありません。
ですが、それ以上の時間で内容のあるものとなると、ある程度の準備が必要になり、その準備次第で結果が左右されます。 当然ながら、与えられた時間が長いほど入念な準備が必要になります。
挨拶やスピーチの依頼があったら、まずいつから準備を始めたほうがよいか?スケジュール的に逆算することが必要です。
話の切り替えと強調したいことの前後には「間」
人それぞれやり方はありますが、基本的には、スピーチ原稿を用意するのが理想です。3~5分程度であればメモ書きでも構いませんが、それ以上の場合は、まず全体を通して文字にしてみることをおすすめします。文字数は1分で250~300文字話すことを目安にして調整していきます。
そして、自分の言いたいことをすべて文字にしたもので、全体の流れを確認します。
次に、全体をブロック分けしてみましょう。ここでのブロック分けは、大きく分けて「序論(前ふり)」「本論(メイン)」「結論(まとめ)」の3つになります。話しの中心となる「本論」の長さで時間を調整すると考えてください。
実際に文字にしたものを話してみると、文字にした文章と口にした言葉の違いが出てきます。きれいな文章でも、言いにくい、止まってしまう、という部分は違う言い方にするなどの修正が必要になります。
一般的に、自信がないときほど早口になりがちですが、そうすると全体が一本調子に聞こえてしまいます。
早口になってしまうとき、意識してほしいのは「間」の取り方です。
話が変わるときや強く伝えたい話の前後に、「1、2、3」とゆっくり数えるくらいの「間」を入れることで、メリハリがついてきます。
本来は全体を完璧に覚えることが理想ですが、安心してスピーチをするためにメモ書きを持つのも一案ですね。
Check Point
1.準備期間を逆算する
スピーチをすることが決まったら、まずはスケジューリング。本番に向けて、原稿作成や話し方の練習など、どれくらいの準備期間が必要かを逆算します。
2.長さを考えて、入れ込む内容を決める
目安時間を確認して、その時間に合わせた内容に調整します。頭で考えるだけでなく文字にすることで、内容や長さが確認できます。
3.リハをして客観的なアドバイスを
理想はリハーサルをして、自分自身で言葉使いやスピード、「間」の取り方までを事前に確認します。そのとき、客観的なアドバイスをくれる人がいると効果的です。