日本では、日常の付き合いの中で「祝儀」や「不祝儀」としてお金を贈る習慣があります。
仕事をしていれば、職場や取引先などへ贈ることもあるでしょう。
名刺交換をする際にも決まりごとがあるように、祝儀や不祝儀を渡す際にもマナーがあります。
お金にまつわるだけに、ボスとしては用途や目的に合わせて、しっかりとしたマナーできちんとしたな贈り方をしたいものですね。
決まりごとには意味がある
日本には、お金や品物を贈る際には紙に包む習慣があります。
贈るものを紙で包むことで、品物を汚さないようにするという意味があるんです。
昔から、紙に包んで「けがれのない」現金や品物を贈るということが、とても大事なことだとされてきました。
その代表的なものが祝儀袋と不祝儀袋です。
結婚や出産のお祝いなどの「慶事」や、お礼、お見舞いなどに贈るお金に使うのが、祝儀袋です。
また、香典や供花/供物料などの「弔事」に贈るお金に使うのが、不祝儀袋です。
一見同じように見えますが、それぞれ書き方や折り方などに決まりがあり、意味も変わってくるのでしっかりと覚えておきたいところですね。
祝儀袋は慶事、不祝儀袋は弔事
どちらもお金を中袋に入れ、さらに上包みをするという形式です。
袋の表には「壽」「ご霊前」などの表書きをして、贈り主の名前を書きます。
袋を裏返しにしてみると、上下が少し折り重なるようになっています。
この折り返しの重ね方が、祝儀袋と不祝儀袋では違ってくるので間違えないようにしたいですね。
むきだしでバックに入れたりはせずに、ふくさや小さなふろしきに包んで、汚したり折ったりしないように注意しましょう。
渡す際には、お祝いやお悔み、お見舞いの気持ちを直接伝えます。
遠方に住んでいるなど、どうしても直接手渡せない場合は郵送でも構いません。
郵送の際には、通常のように表書きをした祝儀袋・不祝儀袋を用意したら、手紙を添えて現金書留封筒に入れて送ります。
思いやりとして、知らせを受けたらできるだけ早めに相手に贈るようにしましょう。
Check Point
1.祝儀袋は「上向き」
祝儀袋は、喜びを受け止めるという意味で、裏の折り返しを上向きにします。
上側の折り返しを先に伏せ、その上に下側の折り返しを重ねます。
この重ね方は「お祝い重ね」とも言われます。
2.不祝儀袋は「下向き」
不祝儀袋は、悲しみを流すという意味で、裏の折り返しを下向きにします。
下側の折り返しを先に伏せ、その上に上側の折り返しを重ねます。
この重ね方は「弔い重ね」とも言います。
3.お金は相手に対して「正面」
お札には表と裏があります。
肖像画が描かれている方が表になります。
中袋に入れるお金は、常に相手に表が向くようにして入れ、肖像画の頭が上になるようにしましょう。
表と裏があるものは、常に表を上に、相手から見て正面になるように手渡すのがマナーです。