与えられた時間を常に意識 話したいことを、決められた時間で相手に伝える


ビジネスシーンでは行事の挨拶など、公の場で話す機会は少なくありません。そのとき話す内容が大切なことはもちろんですが、話し手として持ち時間を意識することも重要です。時間を意識しているかどうかで人に与える印象が変わる、ということについて考えてみましょう。

自分のことを話すのはうれしい


 例えば「2分で自己紹介をしてください」と言われたとします。この場合、2分より短く話す人よりも、2分より長く話す人の方が多いことがほとんどです。

 過去の自分の経験を振り返ってみてください。自分の順番がくるまで「あれを話そう、こう話そう」と考えていても、いざ自分の順番が来て終わってみると、「そういえば、あれを話すのを忘れた」と思う。そんな経験はなかったでしょうか。

 たいがいの人は、「自分について話すこと」に喜びを感じます。そして、相手に自分を知ってもらおう、少しでも自分を理解してもらおうと話が広がってしまい、制限時間を過ぎてしまいます。これは話し好きな人だけではなく、一般的な傾向として見られることです。 

 こうした前提から、話をする側として注意すべき点について考えてみましょう。

話を長くしすぎないために

 結婚式やお祝いの席でのスピーチを聞いていて、「話が長いな」と感じた経験はありませんか。このようなスピーチは、事前に目安時間を知らされているにも関わらず、どうしても長くなる傾向があります。

基本的に、スピーチをする人は目安時間に合わせて準備をしてきているはずです。それなのに、どうして話が長くなるのかーーー?

注意して聞いてみると、話しを長引かせているのは「自分のこと」を話している部分だということに気づきます。アドリブなのでしょうか、必要以上に細かい説明をしていたり、周辺情報が広がりすぎていたりするのです。

結婚式で例えると、「出身地が同じ」で伝わる話にも関わらず、位置関係を事細かに説明してみたり、赴任先や新婚旅行の話題を出しても、すべて自分の過去に話を結びつけたりしてしまう、ということです。

ある講演会のことです。壇上には、3人の話し手と司会。5分ずつ交代で話をする流れになっていました。

ところが2人目の話は10分たっても終わらず、「まとめると」という言葉が出たのが15分後。さらに司会の「最後にひと言」に対して5分近く話していました。

司会の方をはじめ、聞いている方々から苦笑いがもれ、「要領が良くない」「ワンマンである」という印象が残ってしまいました。

社内で誰かに対して話す場合も同じです。自分に主導権があるときこそ、どれくらいが適切かを判断して、それを守るようにしましょう。自分でも話し始めると長いと感じている人は、最初に「○分で終わりにします」と公言するのもよいかもしれません。

Check Point

1.常に話す時間の目安設定
公の場だけでなく、ちょっとした会議や打ち合わせ、朝礼などでも、常に「自分はどれくらい話すか」という時間の目安が必要です。

2.自分は話が長いかどうか
経営者は話の長い傾向があり、社員から「話が長い」と言われていることも少なくありません。自分についてはどうか、改めて考えてみましょう。

3.時間感覚の見本になる話し手
講演会など、他の方の話を聞く機会に積極的に参加しましょう。講演者の時間感覚の良し悪しは、聞いている側にも伝わります。

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