急な訃報があったとき、仕事関係の場合は、悩むのが「香典」についてだと、何人ものボスの言葉です。部下をもつ立場であれば、聞かれたときに応えられる基本中の基本は、ひと通り知っておきたいものです。今回は「弔事の香典」についてです。
(注:故人が会社・仕事関連の方で、宗教は日本で一般的な<仏式>とした内容としています)
*withコロナの時代、基本を知って、状況に合わせた判断ができるようにしましょう!
■香典の基本
香典(不祝儀袋)の表書きは、通夜、葬式のときは「御霊前」、四十九日の法要後は「御仏前」となる。不祝儀袋は、包む金額に合わせて選びますが、1万円未満の場合は水引が印刷されたもので大丈夫です。
一般的に香典では新札を包まないほうが良しとされています。きれいなお札の場合は、真ん中に折り目をつけて入れれば、それで問題ありません。
中袋にお札を入れるときの向きについては、厳格が決まりがあるわけでなく諸説あります。
一般的に中袋を裏にして開けたときを軸に考えます。お札の人物が描かれている表側が上になるように入れて、上下は、人物が下にくるようにします。お札が2枚以上のときは、向きを揃えるようにします。
■金額の目安
仕事上の関係者 | 5000円~1万円 |
勤務先社員の家族 | 5000円~1万円 |
祖父母 | 1万~3万円 |
両親 | 5万~10万円 |
兄弟姉妹 | 3万~5万円 |
叔父・叔母 | 1万~3万円 |
その他の親戚 | 1万~2万円 |
知人・友人、その家族 | 3000円~5000円 |
隣人・近所の人 | 2000円~5000円 |
・金額は「4」「9」は避けたほうがよいといわれる。
・故人が世帯主や一家の中心人物、とくに親しかった人の場合は多めに包む。
・自分自身が肩書きのある立場であれば、多めに包む。
・地方による慣例には配慮し、自分と近い立場の人に相談するとよい。
■不祝儀袋(香典袋)の書き方
香典の名前は、必ずフルネームで書きます。社名や肩書は、名前の右上にやや小さめに書き添えます。
名前を書くのは、筆ペンかサインペンを使い、ていねいに書きます。正式には弔事は<薄墨>、慶事は<濃墨>で書くとされています。最近では慶事にも弔事にも使い分けのできる便利な筆ペンもあります。ゴム印を押す、ボールペンで名前を書くといったことは大変失礼にあたります。
■連名で渡すとき
夫婦連名にするときは、中央に夫のフルネーム、夫の名前の左側に妻は名前だけ書きます。
同じ会社の3人の連名で渡すときは、右から左へ向かい、地位、年齢が高い順にフルネームで書きます。4名以上の場合は、中央に代表者のフルネームを書き、代表者の名前の左下にやや小さく「外一同」と書きます。全員のフルネームを書いた紙を金封と一緒に包んでおきます。
■参列できないとき
お通夜や告別式に参列できないときは、香典を現金書留で郵送します。そのときは、お悔やみの言葉と参列できない理由を書いた手紙を同封します。手紙を書くのは、薄墨色か濃紺色のインクで書きます。
参列する同僚に香典を頼む場合は、連名にするのではなく、自分の分は別に用意します。
Check Point
1.お通夜に向かうときの配慮
故人が親しかった方の場合は、お別れの気持を大切にしますが、カジュアルすぎる、色が派手すぎるといった節度はわきまえた装いは基本です。
2.基本的にゴールドは避ける
弔事にアクセサリーははずすのが基本ですが、時計やカフスボタンなどをつけるときは、シルバー系にして、男女ともゴールドのアクセサリーは避けます。
3.部下の装いにも気遣いをすること
自分だけでなく、部下の装いにも配慮をすること。金の飾りのある靴やブランド品のバッグ、冬のロングブーツなどは、NGだと知らないこともあります。