リーダーシップを考える上で、コミュニケーションスキルは必要不可欠です。「部下と意識的にコミュニケーションをとる」という言葉はよく耳にしますが、具体的に何をどのようにすればよいのか?そのヒントはリアルだけでなく、オンライン上でも参考になりそうです。
3つ目の「問いかける」で一歩踏み込む
人の上に立つ立場になれば、部下とのコミュニケーションのとり方次第で、仕事の成果も人間関係も大きく変わることを実感する場面が多くありませんか?
昨今は、リアルでのコミュニケーションを取りにくい状況。ですが、これはオンライン上でも意識すべきことで、コミュニケーションの基本ともいえます。
コミュニケーションは、自分の置かれた状況やその相手によって変化させるもの。基本はありますが、人それぞれ、その場に応じて臨機応変に対応するものです。
コミュニケーションには3つの段階がありますが、実は最後のポイントが、最も重要なポイントとなります。
まず、コミュニケーションをとるときには自分が「話す」ことで、言いたいことをわかりやすく相手に伝えます。
次に、相手の話しを「聞く」ことが必要です。そのときにとる態度や対応は、相手とコミュニケーションをする上で、想像以上に大きく影響することを心得ておきましょう。
そして、「話す」「聞く」の後に相手に「問いかける」ことで、さらに一歩踏み込んだ会話が生まれます。コミュニケーションには3つの段階があると述べましたが、この「問いかける」が最後のポイントです。
自分が知らないことを認めた上での問いかけ
年月の流れは年齢を重ねることでもあります。体型や見た目の変化に合わせて、服装を変えることも必要です。
アメリカの組織心理学・組織開発の第一人者であるエドガー・H・シャインは、著書(*1)の中で、「謙虚な問いかけ」が確かな人間関係を作ると主張しています。
良好なコミュニケーションには信頼関係の構築が不可欠で、信頼関係の構築には「謙虚に問いかける」ことが求められると述べているわけです。
さてここで、「謙虚に問いかける」とはどういうことか?という疑問が出てきます。
はっきりとした解釈はないのですが、相手、もしくは相手の行っていることに興味を持って、自分が知らないことを認めた上で質問すること、というように理解されます。
例えば、部下から報告を受けたとき、先方の意向は部下のほうが把握できているという前提で、見通しを質問することなどが挙げられます。
顧客ターゲットについて、部下の方が年齢的に近いので、世代感覚としてどうなのか質問するなども、「謙虚な問いかけ」をしているといえます。
質問をするのは、相手への興味の表れです。上司から「謙虚な問いかけ」をされることを、部下はポジティブに受け止めてくれるでしょう。
一般的に、人は話すことに注力しがちですが、部下とのコミュニケーションには、この「謙虚に問いかける」ことを意識してみてはいかがでしょうか。
(*1)『問いかける技術』エドガー・H・シャイン(英治出版)
Check Point
1.話を聞いたままで終わらせていないか?
部下と会話をしたとき、話を聞いたままで終わらせていませんか?その話に対して「問いかけ」をすることで、一歩踏み込んだコミュニケーションをとることができます。
2.謙虚な姿勢でいるか?
部下に対して「謙虚である」には、どうすればよいか?自分より部下の方が知っているということを認識した上で、ふさわしい会話をする、態度をとる、と考えるとわかりやすいですね。
3.プライベートが見える会話を
コミュニケーションを考えるとき、仕事での会話でも、意識的にプライベートな顔を見せることで親近感が生まれます。苦手なことなど、意外な一面を話すのも一案です。