責任ある立場の方と話をしていると、各々こだわりどころがあり、その感じ方も大きく違うことが多々あります。しかしそのこだわりを社員や部下が暗黙の了解のように「社内の決まり事」として受け取っていたらどうでしょう?そんなこだわりを見える化した最もわかりやすい例として、ビジネスでの服装が挙げられます
「~でないければいけない」という誤解を生んだ例
ビジネスでの服装に対する社長のこだわりが、自然と社員や部下の服装への考えを制限していた例がありました。
ある社長は、
「営業職は白いワイシャツを着なくてはいけない」
という固定観念があるといいます。
あるとき、部下の方から
「白じゃなくてもいいと思いますけど・・・」
という声がありました。
部下としては、常識的なことに配慮すれば、必ず「白」でなくてもいいのではないか、という思いです。
また別の会社の例ですが、こちらではビジネスカジュアルというと、スーツを着てネクタイをしないスタイルが一般的となっているそうです。
スーツでない上下を違えたジャケットとパンツを着たいのだけど、
「上司より目立ってはいけない」
とも思うし、
「カジュアルすぎる」
と思われるのも嫌で、着たくてもなかなか着られない、という若手社員の声がありました。
しかし実際に、社長に聞いてみると、お二方から意外な答えが返ってきました。
白いシャツの絶対着用については、「自分はそうしているけど、人には求めない」とのこと。
また、ジャケットとパンツの組み合わせについては、「どんどん着てもいい」という答えでした。
相手に「言わなくても察する」ことを求めないこと
とくに目に見えることについては、社長のこだわりが、そのまま社内の決まりごとになってしまうこともあります。
社長や上司が好む傾向は、敏感に社員に伝わるものでもあり、敢えて言わなくても、それを察知してくれる社員が有能だと考える部分があることも確かです。
しかし気を付けなければいけないのは、この
「言わなくても、察してくれ」という意識。
気になることは、敢えて言葉で言うことが、トラブル回避には重要になります。
社長の顔が見える、話す機会もある規模の会社であれば、「察してくれ」ではなく、服装などについては実際に何かしらの確認できる場や体制があることが理想です。
自分自身のこだわりや好みが、知らないうちに社内の何らかの強制力になっていないか?
「いやいや、そんなこと言ってないから」
とならないように十分な配慮をしたいものです。
Check Point
1.自分自身のこだわりとは?
服装やコミュニケーション全般について、ご自身がこだわっていること、譲れないことは何でしょうか?改めて確認してみましょう。
2.相手に求めることは何か?
部下に求めることは何か? 例えば服装ならば、好き嫌いでなく、自社社員として必須のことなど、はっきりしておくことが必要です。
3.明文化が必要なことは?
日常業務のなかでも、社員が迷いを感じることは明文化することが必要です。服装なども重要だと思われることは明文化することで変化が期待できます。