【常識】「お」「ご」「み」を正しく使って品位のあるコミュニケーションを


言葉の頭に付けて敬意・丁寧さ・美しさを表す「お」「ご」「み」という言葉。

漢字で書くと、これらはすべて「御」です。

この「お」「ご」「み」には、つけ方に決まりがあります。

使い方を間違えていたり、必要以上に多様したりすればかえって耳についてしまい、むしろ違和感や不快感すら与えてしまいます。

正しく使って、自然なコミュニケーションでボスとしての品位も表したいものですね。

敬意・丁寧さ・美しさを表す「美化語」

「美化語」とは、敬語の分類の1つです。

 直接敬意を表すのではなく、バランスを取るやわらかい表現を敬語部分に合わせることで上品さや美しさを出します。

 美化語を使うことで、結果的に所有や利用、行う人への敬意を表すことにもなります。

たとえばよく聞く「おみおつけ」とは、味噌汁や吸い物のこと。

日本古来からのもっとも格式の高いおもてなしの形式「本膳」では、ご飯につけて並べられていました。

このことから、つけ(汁物)に「お」を付けたのが「おつけ」、さらに丁寧に「御御(おみ)」を付けたのが「おみおつけ(御御御付け)」です。

「お家」「ごはん(御飯)」「み仏」「おみ足」など、「御」の読み方は後ろに来る言葉によっても変わります。

不自然になる言葉には付けない。


丁寧さや敬意を表したいからといって、何にでも「御」を付ければい良いというものでもありません。

ナイフ、ノート、コーヒーなどの外来語(カタカナ語)には付けません。

「おビール」など耳にすることもあるかもしれませんが、慣例として使われることはあっても付けないのが一般的です。

また、「牛」「馬」などの動物や「雨」「雷」などの自然現象(例外もあり)や、「汚い」などのあまり良くない意味の言葉にも付けません。

「社長」「先生」「皆様」など、すでに敬語で表している言葉にも必要ありません。

Check Point

1.付ける言葉で読み方が変わる
■基本的に和語(漢字を訓読みにする言葉)には「お」「み」「おみ」
 <例> お気持ち、お手紙、お見送り、おみ足  など

 ■和語でも「ご」が付く場合
 <例>ごゆっくり、ごもっとも  など

■基本的には漢語(漢字を音読みにする言葉)には「ご」
<例> ご相談、ご住所、ご連絡  など

■漢語でも家事・教育など、慣れ親しんだ言葉に「お」が付く場合
<例> お食事、お散歩、お弁当  など

■漢語で「お」「ご」の両方が付く場合
<例> お返事/ご返事、お通知/ご通知  など
「お~」は美化語、「ご~」は尊敬語/謙譲語として使われる傾向

2.頭に「御」を付ける場合と言い替える場合
■そのまま「御」を付ける場合
 <例> ご案内、ご挨拶、お酒、お天気、お庭  など

 ■言葉自体を言い換える場合
<例> めし(飯)→ ご飯、はら(腹)→ お腹、便所 → お手洗い  など

3.尊敬と謙譲の使い方に気を付ける
部長が会議室にファイルを持っていくかどうかを確認したい場合
■「部長、そのファイルを会議室にお持ちしますか?」×
→ 聞いた自分がファイルを持っていけばいいかどうかを聞いている。
「お持ちする」→ 謙譲

■「部長、そのファイルを会議室にお持ちになりますか?」〇
→ 部長自身がそのファイルを持っていくかどうかを聞いている。
「お持ちになる」→ 尊敬

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