言葉では、本当のことや本音を隠したつもりでも、言葉以外の要素で相手に「嘘」と気付かれてしまうことがあります。人は嘘をつくと、どんな変化が出やすいのか? それを知っておくだけで、ビジネスでもプライベートでもプラスになりそうです。
パラランゲージの変化を見逃さない
取引相手と条件交渉をしているとき、部下が手こずっている案件の詳細確認したとき、相手の態度に違和感があったことはありませんか?
いろいろな原因が考えられますが、そこに「嘘」が隠れていることもありえます。人は本心と違うことを言うとき、つまり、嘘をつくときには、少なからず表情や話し方に変化が出るものです。
一般的に、話していて相手に嘘だと感じさせる第一の理由は、話の内容に矛盾が生じること。例えば、昨日の話では「○○に行った」と言ったはずなのに、さっきの話では「××へ行った」になっていた、といった具合です。
それと同時に、パラランゲージ(周辺言語)と呼ばれる声の大きさや高さ、話の速さなどにも変化が表れます。相手の言ったことに対して、不自然なほどの長い沈黙ができるのは、下手なことは言えないという防衛本能から言葉をじっくり選んでいるから。聞き返さないと聞こえない普段より小さな声は、自信のなさの表れ。
逆に、その場にそぐわない大きな声を出すのは、自信のなさを必死に隠そうとしているためです。また、口をはさむ余地のない早口は、早くこの場を切り抜けたいという気持ちの表れともいえます。
目元・口元の動きやまばたきの数がヒント
目の周りの筋肉は、意識的に動かすことが難しい部分。ここが動いているかどうかで、本心からの笑いか判断できるといいます。また、意識的に動かせる口元が笑っていても、眉間あたりにシワがよる笑顔は、典型的な苦笑いの顔になっています。
まばたきの回数が多くなることも嘘を見極めるポイントの一つ。普通、まばたきは1分間に35~40回程度といわれますが、自分とって都合の悪い状況におかれると、その回数が増える傾向があります。
アメリカの心理学者によると、ある政治家がテレビ討論で都合の悪い質問をされたとき、まばたきが1分間に90回以上になったというデータもあります。また、貧乏ゆすりや手や足を頻繁に組み替える、といった動きも、嘘をついているときに出やすい動作です。
こうしたことに気付くには、何よりも相手と向き合い、その表情や変化をしっかり見極める目が必要だということですね。
Check Point
1.上下の顔の動きを鏡で確認
顔を鼻半分あたりで上下に分け、その動きが一致しているかを確認。鏡に向かって愛想笑いをして、目もとと口もとの動きの違いを見てみます。
2.嘘をついたときの変化を知る
都合が悪いときに出る表情や話し方の変化は、自分ではわからないもの。ご家族に聞いてみると意外な答えがあるかもしれません。
3.過去の実体験を整理する
過去の記憶のなかで、今思えば「あれは、嘘だった?」と思う出来事はありませんか? ご自分の実体験を通すことで納得もしやすいかもしれません。