大事な商談や新規のお客様と会うとき、「何を着ていけばいいか?」と迷ったことはありませんか? ビジネスでの装いは、自分の個性を出すのではなく、“相手に合わせる”のが基本。では実際に、どのように“相手に合わせる”のでしょうか?
TPO に加えて「今日は誰に会うか?」
服装の話題になると、よく出るのが「TPOに合わせて」「TPOを考えて」という言い方です。この「TPO」とは、「Time(時間)」「Place(場所)」「Occasion(機会・目的)」の3つの頭文字を略した造語。その時、その場に合った、ルールを踏まえた装いをすることを「TPO」に合った服装としています。
ビジネスシーンの服装は、「自分の好きな服だから」「着ていて楽だから」という理由で選ぶものではありません。誰のために装うか? それは自分のためではなく、相手のため。会う人が、「共有する時間を心地良く感じてくれるための服装」「信頼感を感じてくれる服装」という2点が重要になります。
「TPO」に加えて、大切なのは「W(Who)/誰」。誰と会うのか、その方にこちらの服装を合わせるのが一番気づかうべきポイントです。
人間は自分と同じタイプの服装の人に近づく傾向があります。アメリカの心理学者が、服装とアンケートの快諾率の関係を調べました。「アンケートの協力をしてください」と依頼するとき、依頼者がネクタイをしていると、ネクタイ着用者からの快諾率が高く、逆に依頼者がネクタイをしていないと、していない人からの快諾率が高い、という結果が出ました。
きちんとした服装をしているかだけでなく、自分の服装と同じ傾向かどうかが大きく関係しているということです。
相手の装いとどこか共通点をもたせること
では実際に、明日、会う予定の方の普段の装いについて思い出してみましょう。ひと言でスーツスタイルといっても、フォーマル度の高いスタイルから、ややカジュアルなスタイルまでランクがあります。
相手の人が濃紺やチャコールグレーのスーツに白いシャツが多いのか、それよりもカジュアルなピンクやイエロー系のカラ―シャツや襟と袖口だけ白いクレリックシャツンなど、デザイン性の高いシャツを着ているのか。
また、ネクタイは控えめの柄だったか、逆に目立つ色柄だったか。すべてを同じにする必要はまったくありませんが、スーツやネクタイの色、シャツのタイプなど、何かしら共通点をもたせることを意識してみましょう。
もし、お相手がジャケットとパンツといったようにスーツを着用していない場合は、自分の服装が相手の方よりもカジュアルな印象にならないことにだけは注意します。また、女性の場合は、パンツよりスカートのほうがフォーマルだということを覚えておきましょう。
初めて会う方の場合は、会社案内やHPなどから業務の事前情報収集をするように、代表者や社員の装いについても見ておきましょう。会う前に会社やその方の雰囲気を把握することが、“相手に合わせる”ヒントにもなり、ご自身の余裕ある対応にもつながるでしょう。
Check Point
1.ご自身のいつもの装いを確認
普段からよく着ているスーツやシャツ、ネクタイなど、着用率が高いものの傾向をご自身で把握しておきましょう。
2.一番重要なアポイントに合わせる
装いを“相手に合わせる”わけですが、一日にいくつもアポイントがある場合は、一番重要だと思われる方にポイントを絞ります。
3.服装も大切なのは事前の情報収集
初めての人と会う場合、大切なのは事前の情報収集。代表者の服装や会社の雰囲気を事前にリサーチして、どこか近づける装いのヒントにします。